公立学校のプールにおける飛込みで事故が起きた場合、国家賠償法1条にいう「公権力の行使」とは、「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」を意味するから、国家賠償法1条は適用されず、民法上の不法行為として損害賠償を求めることになる。 - ×
国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」には、公立学校における教師の教育活動も含まれるとしている。最判昭和62.2.6。 警察官でない者が、公務執行中の警察官であるかのような外観を装い、他人を殺傷した場合、当該被害者ないしその遺族は、いわゆる外形理論により国又は公共団体に対して国家賠償法1条に基づき損害賠償を求めることができる。 - × 公務員でない者が公務執行中の警察官であるかのように装っても、国又は公共団体に対して国家賠償法1条に基づき損害賠償を求めることはできない。 国会議員が国会で行った発言によって他人の名誉や信用を害した場合、憲法51条により国会議員の法的責任は免責されるため、被害者は国家賠償法1条に基づく損害賠償を求めることができない。 - × 国会議員が国会で行った質疑等で,個別の国民の名誉・信用を低下させる発言があったとしても,これにより当然に違法な行為があったものとして国の損害賠償 責任が生ずるものではなく、右責任が肯定されるためには、当該国会議員が、その職務とはかかわりなく違法・不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚 偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とする。最判平9.9.9。 消防職員の消火ミスにより、一度鎮火したはずの火災が再燃し、家屋が全焼した場合、失火責任法が適用されるため、被害者は国又は公共団体に対して国家賠償法1条に基づく損害賠償を求めることができない。 - ○ 消防署員が出火に出動し、鎮火したものと誤認して引き上げた後に再燃したという事案において失火責任法が適用され、消防署員に重大な過失がなければ国家賠償法は認められない。最判昭53.7.17。 パトカーが逃走車両を追跡中、逃走車両が第三者の車両に追突し、当該第三者が死傷した場合、被害者たる第三者の救済は、国家賠償法1条による損害賠償ではなく、もっぱら憲法29条に基づく損失補償による。 - × パトカーの追跡行為が国賠法1条の適用上違法であるというためには、追跡が現行犯逮捕,職務質問等の職務目的を遂行する上で不必要であるか、または逃走車 両の逃走の態様および道路交通状況等から予測される被害発生の具体的危険性の有無、内容に照らして、追跡の開始・継続もしくは追跡の方法が不相当であるこ と必要とする。最判昭和61.2.27。
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