2011年2月22日

ジャスミン革命考

既存の情報メディアを突き抜けて、インターネットが政治を変えつつある。

チュニジアで­は一人の青年の抗議の焼身自殺を契機とし、ネットを介してあっという間に燎原の火の如く全土に政権批­判が拡散して遂にベンアリ大統領の独裁体制が崩壊した。

民衆によるデモと政府の衝突が発生していた、北アフリカ・チュニジアの政変は、前大統領が国外に逃亡し、民衆の勝利で幕を閉じた。

カンヌーシ首相は1月17日にも、野党勢力を巻き込んだ暫定政権を発足させる意向だ。

失業や貧困、政府の腐敗に対する民衆の抗議デモに端を発する、今回のチュニジア政変を、この国の国花にちなみ「ジャスミン革命」と呼んでいる。

革命を成功に導いた背景には、ツイッターやフェイスブックといった、ソーシャルメディアの影響が強い。

チュニジアの若者たちは、都市部に集中し、携帯電話や、フェイスブック、ツイッターといった、ソーシャルメディアをコミュニケーションに積極的に利用しいている。携帯電話の使用に制限がなく、人口の3分の1以上が定期的なインターネットユーザーで、さらに、その半分近くがフェイスブックに加入している。

革命の過程で、チュニジアのネチズンを中心に、「チュニリクス」というサイトを立ち上げ、秘密警察がYouTubeまで遮断する激しい検閲の中、ウィキリークスが暴露した、ベンアリ前大統領らの不正を訴え続けた。

「ジャスミン革命」は「アラブ国家初の民主革命」として、チュニジア周辺諸国のブロガーや市民記者らに評価されている。今回のチュニジア政変で、インターネットおよびソーシャルメディアが政治に与える影響に、世界的な関心が高まるだろう。

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